CAREERSHEET
初めて転職活動をした場合、職務経歴書がどのような役割を持つのか、知らない方もいるのではないでしょうか。職務経歴書は、新卒時には必要がなかった書類です。履歴書があれば経歴や保有資格もわかりますから、一見必要ないようにも感じます。
しかし、職務経歴書には、それまでに勤務した施設や企業に関する、基本的な情報も記入します。介護業界といっても、施設の規模やサービス内容は多岐にわたります。そのため、採用側は応募者がどれくらいの規模の施設で、どのような業務を担当してきたのかを知りたいのです。ですから、履歴書には記入できない具体的な経験や実績、スキルなども職務経歴書で伝えることが企業の選考にも必要ですし、応募者がアピールするチャンスでもあるのです。
履歴書とは異なり職務経歴書のフォーマットは自由です。ですが、担当者に自分の経歴を理解してもらうためにも、わかりやすくまとめましょう。具体的には、次のようなポイントを意識して記入します。
・A4サイズ1~2枚でまとめる
・行頭と行末はそろえる
・見出しをつけて、できるだけ箇条書きでまとめる
また、職務経歴書全体のまとめ方には、経歴を時系列的にまとめる「編年体式」と、直近の勤務先から記入する「逆時系列」、業務や職種ごとにまとめる「キャリア式」があります。一般的には編年体式を使用しますが、経歴やアピールしたい内容が豊富にあればキャリア式がおすすめです。もし、介護業界の経験が直近の勤務先しかない場合は、逆時系列にするほうがわかりやすいでしょう。
なお、履歴書と異なり「手書き」か「パソコン」のどちらで作成したほうがいいかというルールはありません。ですが、パソコンで作成するほうが見やすいですし、PCスキルをアピールできる利点はあります。
採用担当者にとって介護職の職務経歴書は、応募者が過去に働いていた施設でその人がどのような業務を担当し、得意としている業務を知ることで、即戦力になれるかどうかを判断する資料となります。
ここからは介護職の職務経歴書の項目ごとに、どんな点に注意して書いていくべきかをご紹介していきます。
職務経歴書の見本と書き方のポイント
経歴については箇条書きで、「勤務先」「雇用形態」「ポジション」「業務内容」「勤務期間」「事業内容」「入所者数」「職員数」などを書きます。入所者数や職員数は、どのくらいの規模の施設に勤務したのかを見てもらうデータとなります。
職務経歴書の見本と書き方のポイント
業務内容の項目では、配属先や配属期間、業務内容を箇条書きにします。
例えば下記のように、業務内容は、経験や得られたスキルなどがわかるように書きましょう。
<例>
2014年4月~2016年7月 配属:ホームヘルパー部門
・食事介助、排泄介助、入浴介助
・入居者同士の親睦を目的としたイベントの企画立案を担当
・ホームヘルパー部門のリーダーとして新人ヘルパーの教育を担当
・マネジメント経験を活かし、業務改善マニュアルを作成
職務経歴書の見本と書き方のポイント
業務内容は箇条書きなので、実績や成果などが読み取れません。そこで、以下のようなテキストを付記し、あなたを雇用するメリットを具体的に想像してもらいましょう。
<例>
・イベント企画の立案
ホームヘルパー部門のリーダーとして、入居者同士の親睦を深める朗読会を企画・実行しました。
ただスタッフが企画したイベントに参加してもらうだけでなく、入居者自身にイベントの企画運営の一部を任せることで、入居者同士のコミュニティが活性化しました。
また、イベント自体が地域のローカル新聞で取り上げられたことで、入居希望者の増加に貢献できました。
・人材育成
フロアリーダーとして新人教育を担当し、新人指導や研修を行いました。また、指導した内容を基に教育用マニュアルを作成し、新人教育の効率化ができるシステムを構築しました。このシステムにより、これまれ3ヵ月かけていた新人研修を2ヵ月に短縮できました。
職務経歴書の見本と書き方のポイント
介護職関連の免許や資格だけでなく、仕事に役立つ自動車免許などの資格なども、取得順に正式名称で記入します。取得年月は試験合格日ではなく、証書記載の年月となります。なお、介護関係の例でいえば、2012年に「ホームヘルパー2級」が「介護職員初任者研修」に名前が変わるなど、取得後に法改正で名称が変わっている資格もありますので、必ず正式名称を確認しましょう。
職務経歴書の見本と書き方のポイント
職務経歴書では、自己PRを記入することができます。経歴や実績、スキルなどを基に「こんなことができるので、私を雇うとこんなメリットがあります」ということを理解してもらい、さらに目標やキャリアプランなどを書くことで熱意を伝えましょう。
<例>
●●ホームでは、入居者の方だけでなく職員も楽しめるレクリエーションの企画と実施を担当しました。また、フロアリーダーとして人材育成・サービス改善の経験をすることで、基本的な介護サービス業務以外にも幅広いスキルを得られました。
今後も、入居者の方一人ひとりに寄り添った介護を心掛けた上で、職員もモチベーションを保って働くことができる職場環境づくりにも貢献したいと考えています。そのために、介護スタッフ以外のポジションのスタッフとも積極的に勉強会や交流の場を持ち、連携力を高めていきたいと思います。
介護職の職務経歴書対策に
関する
まとめ
職務経歴書にありがちな失敗例は?
介護職の職務経歴書作成のポイントについてご紹介してきました。最後に、職務経歴書でありがちな失敗例をご紹介します。介護職に限らず、職務経歴書では次のような失敗が起こりがちです。注意して作成していきましょう。
・A4サイズ2枚以内にまとまっていないので、読み手に負担をかけてしまう
・箇条書きの項目がないので、読みにくい
・担当した業務に関する詳細がないので、強みや経験が伝わらない
・病院施設の規模や、担当した患者数などの具体的な数字がない
・内容が履歴書とほとんど同じ
職務経歴書が完成したら、一度採用側の気持ちになって読みやすい書類になっているか、客観的にチェックしてみることをおすすめします。
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