WORKPLACE
「社会福祉士」は、資格を保持している方だけが名乗れる国家資格です(資格を持っていない方でも業務に就くことはできます)。基本的な業務は、医師や介護士など他分野の専門職と連携し、要介護者などの包括的支援を行います。
支援を行うための制度や機関、人材といった社会資源の開発を求められる仕事ですから、これから本格化する高齢化社会において、活躍する場所が多い仕事のひとつです。
地域や施設などで、うまく生活ができない人(寝たきりの高齢者、身体障害者など)に、社会福祉サービスを用いて支援を行います。これらの方々が日常生活を送る上で「不便である」と感じたことの相談にのり、それを解決する手段を提案することがおもな業務です。
役所や地域包括支援センターで働く場合は、生活困窮者の相談にのることが重要になります。例えば、仕事の見つけ方をレクチャーしたり、生活や資金を支援する制度を探して利用を促したりするなど、相談者が当たり前の生活を送れるように努めるのです。その後、生活が安定(改善)したことを確認するため、定期的に訪問する必要もあります。
病院などの保健医療機関で働く社会福祉士(医療ソーシャルワーカー)も増えてきました。医療ソーシャルワーカーは、医師や看護師とは違う社会福祉の立場から、患者本人はもちろん、その家族が抱える問題の解決を図る役割です。療養中の患者や家族には、経済的・社会的・精神的な問題が数多く発生しますが、個々の相談にのり、関係機関と調整を行うことで社会復帰を促していきます。
<一般的な仕事内容>
・高齢者の介護(介護保険制度)
・障害者や生活困窮者の支援(自立支援給付や補助金制度)
・福祉施設への入居(介護士の派遣)
・患者や家族の援助
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社会福祉士の資格を得るための「社会福祉士国家試験」を受験するためには、一定の条件を満たす必要があります。代表的なものは以下のとおりです(公益財団法人社会福祉振興・試験センター「社会福祉士国家試験・受験資格」より)。
・福祉系4年制大学で指定の科目を履修する
・福祉系短大で指定の科目を履修した後、1~2年の実務経験を積む
・福祉系4年生大学で基礎科目を履修した後、6ヵ月以上の実務経験を積む
・福祉系以外の4年制大学卒業後、1年間以上、一般養成施設に通う
・福祉系以外の短大を卒業後、1~2年の実務経験を経て、1年間以上、一般養成施設に通う
・4年以上の実務経験を経て、1年間以上、一般養成施設に通う
社会福祉士は「人の話を聞く」仕事ですから、特に人と接することが好きで自分の感情をコントロールできる人に向いているでしょう。また、相談者や施設の入居者(利用者)とその家族を、役所などの公的な機関とつなぐ役割も担います。
相談者は皆「困っている」わけですから、相手の立場に立ってニーズを正しくつかみ、現実的な支援策(計画)を提案できることが望まれます。さまざまな問題の最適解を見つけるために、働いている施設のことだけでなく、行政や関連する法律、地域の支援情報などを把握している必要もあるでしょう。
・人の話に耳を傾け、しっかり話を聞くことができる
・協調性を持って、人と接することができる
・自分自身の感情をコントロールすることができる